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夏休みのおでかけに!「かこさとしのひみつ展」川崎市市民ミュージアム

5月2日に惜しまれながらも逝去した、絵本作家かこさとしさん(享年92歳)の展示『かこさとしのひみつ展 -だるまちゃんとさがしにいこう-』が7月7日から川崎市市民ミュージアムで開催されます。

目次

半世紀以上にわたり愛されてきた絵本作家、かこさとし

かこさとしさんといえば、代表作である『だるまちゃんとてんぐちゃん』や『からすのパンやさん』をはじめ、約60年にも渡って作品を作り続けてきた、日本を代表する絵本作家です。

『からすのパンやさん』偕成社刊 ©1973,Satoshi KAKO

創作の原点は、1950年代の川崎のセツルメント活動で出会った子どもたちで、同氏は活動において子どもたちに創作指導するほか、自ら紙芝居や幻灯を制作し、子どもたちに読み聞かせていました。「大切なことは、すべて子どもたちに教わった。」(『未来のだるまちゃんへ』文藝春秋)と、後に著書に記すほど、このときの体験がその後の作家活動の大きな糧となります。

『未来のだるまちゃんへ』文藝春秋刊

スケッチや構想段階の下絵、複製原画を中心に200点以上展示

図らずも追悼展となった同展は、スケッチ、下絵、複製原画を中心に200点以上を紹介する、過去最大規模のものになるのだそう。
前述した代表作はもちろん、『どろぼうがっこう』のほか、『かわ』や『たべもののたび』などの科学絵本の全場面展示もあります。

『どろぼうがっこう』偕成社刊 ©1973,Satoshi KAKO
『たべもののたび』童心社刊

さらに、作品に通底する4つのキーワード「見る」「知る」「学ぶ」「食べる」場面をテーマ別に展示し、作品にはどんな想いがこめられているのか、どんな楽しみがつまっているのか、かこさとしさんの作家像やその創作の秘密に迫ります。

体験型のイベントや、かこさんをしのぶコーナーも

夏休みである期間中には、ガイドツアー、ナイトツアーのほか、「だるまちゃん音頭をおどろう」や「『からすのパンやさん』おつかい大作戦!」など、かこさんの作品の世界に入り込めるような、体験型イベントも盛りだくさん。

また、入場自由で、かこさんへ感謝の気持ちを伝えられるコーナー「いつまでも いつまでも かこさとしさん」が設けられ、メッセージを書けるだけでなく、2017年に撮影された記録映像(10分程度)も鑑賞できるそうです。

『だるまちゃんとかみなりちゃん』福音館書店刊 Illustrations ©Kako Research Institute Ltd.

生涯にわたり、創作を通じて明るく前向きなメッセージを子どもたちに送り続けてきたかこさとしさん。子どもだけでなく、大人もたくさんの発見ができるはずです。ぜひともご家族でおでかけください。

かこさとし氏プロフィール

2015年撮影

1926年、福井県武生市(現・越前市)に生まれる。東京帝国大学(現・東京大学)工学部応用化学科卒業。工学博士。
技術士(化学)であると同時に、児童文化の研究者である。代表作に『だるまちゃんとてんぐちゃん』『からすのパンやさん』『どろぼうがっこう』など。『かわ』『海』など科学絵本のほか、『伝承遊び考』など著書は 600点以上にのぼる。2008年菊池寛賞、2009年日本化学会より特別功労賞受賞。2013年、福井県越前市に「かこさとし ふるさと絵本館「砳(らく)」が開館し、2018年には武生中央公園(「だるまちゃん広場」など)を監修した。

「かこさとしのひみつ展-だるまちゃんとさがしにいこう-」概要

  • 展覧会名:企画展「かこさとしのひみつ展 -だるまちゃんとさがしにいこう-」
  • 会期:2018年7月7日(土)〜9月9日(日)※56日間
  • 休館日:毎週月曜日(ただし7月16日は開館)、7月17日(火)
  • 開館時間:9:30〜17:00(最終入館 16:30まで)
    ※夏休み期間の土曜日(7月21・28日、8月4・11・18日)は19:00まで開館(最終入館18:30まで)
  • 会場:川崎市市民ミュージアム 企画展示室1
  • 観覧料:一般600円(480円)、65歳以上・大学生・高校生450円(360円)、中学生以下無料
    ※()内は 20名以上の団体料金。※障害者手帳をお持ちの方およびその介護者は無料。

かこさとしのひみつ展-だるまちゃんとさがしにいこう- | 川崎市市民ミュージアム

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文=キネヅカ編集部
写真提供=©Kako Research Institute Ltd.

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