シニアの再就職におすすめな資格、ITパスポート
経営全般からIT関連まで幅広い知識が問われるITパスポート
情報技術の基礎知識を測る資格の一つに「ITパスポート」(iパス)があります。2009年に開始されたこのITパスポートは経済産業省が認定する国家資格で、これを所持していれば仕事をしていくうえで備えておくべきITの利活用に関する基本的な知識が習得できていることが証明されます。
情報関連の技術者向けというよりはむしろITを活用してビジネスを行う人全般を対象としており、シニアが再就職する際に取得する資格としてもおすすめです。
試験は4月と10月の年2回実施され、試験内容はストラテジ系(経営全般)が35問程度、マネジメント系(IT管理)が20問程度、テクノロジ系(IT技術)が45問程度となっています。経営全般から、セキュリティ、ネットワークなどのIT関連まで、幅広い分野の知識が問われます。
とはいえ、情報処理技術者試験のなかでも一番低いレベルの試験に位置付けられており、難易度はそれほど高くありません。合格率は40%~50%で、通信講座を利用して効率よく勉強すれば2~3カ月程度の準備期間で取得できるといわれています。
資格を生かして何をしたいかが大事
ではなぜシニアの再就職におすすめなのかというと、一番大きな理由はこの資格を所持していれば、PCやITにある程度精通しているという印象を与えることができるからです。
現代社会におけるほとんどの仕事には何らかの形でPCやIT技術が関わっており、これらを全く使用しない仕事はかなり限られています。
それにも関わらず、PCの使い方をわざわざ教えてくれない会社が多いのが現状です。特にシニア世代はPCに疎いと思われがちですが、この資格を所持していればそのような心配はなくなります。
実際にどの企業で働く場合でも、ある程度のITリテラシーが無いことは大きなマイナスとなる可能性があります。ITパスポートを取得すれば、ワープロ・表計算ソフトの活用はもちろんのこと、パソコンのハードウエアやネットワークの基礎知識など、オフィスで使用するITについての知識を幅広く身に着けられるので、たとえば業務の問題点を分析してグラフ化するといったこともできるようになります。
ただし、ITパスポートを取得したからといって、資格単独では業務を行うことはできません。また、初歩的なレベルの資格なので、再就職ができたとしても年収アップに直接結びつくとは限りません。
システム開発の責任者となって効率の良いシステムの工程を提案したい、社内ネットワークを整備・管理する仕事に携わりたいといったように、資格を生かしてどのような仕事をしていきたいか、ということを明確にしておくことが重要です。
また、IT関連だけではなく、法務、経営戦略、マーケティング、会計の知識も身に付くため、プロジェクトリーダーとなり事業をマネジメントしたいという人にとっても役に立ちます。そういった意味では、工夫次第でいくらでも活用できる、非常に汎用性が高い資格といるでしょう。
近年では新卒採用時のエントリーシートや新人教育に取り入れたり、職員に取得を促すためのサポートを実施したりする有名企業や公官庁も増加しています。IT関連が苦手な人の取得も十分可能な資格なので、興味がある人はチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
最新更新日 2018.01.12