シニアの再就職におすすめな資格、中小企業診断士
経営全般に関する幅広い知識や分析力が必要
再就職に臨むにあたり、資格の取得を考えている人は結構多いようです。簿記検定、宅地建物取引主任者、社会保険労務士など再就職に役立つ資格はいろいろありますが、なかでも中小企業診断士はシニアにおすすめできる資格の一つです。
中小企業診断士の主な業務は中小企業を対象とした経営コンサルティングです。経営目標を達成するための課題や問題点を分析し、解決策を提案することで報酬を得ます。
当然ながら経営全般に関する幅広い知識や分析力、助言する能力が要求される職業で、中小企業診断士になるためには試験に合格しなければなりません。
年齢、性別、学歴を問わず誰でも受験することができますが、合格率は1次試験、2次試験ともに20%程度、1年で合格できる確率は3~5%といわれる難関試験です。
まず、8月上旬の2日間にわたって実施される1次試験を突破しなくてはなりません。1次試験は他肢選択式のマークシート方式ですが、経済学・経済政策、経営法務、経営情報システムなど受験科目が7科目もあり、これだけでも膨大な知識を習得する必要があります。
2次試験は10月中旬~下旬に行われる4科目の論述試験と同年度の12月中旬に実施される口述試験ですが、口述試験は論述試験合格者のみが受験することができます。勉強法は人それぞれで、短期合格を目指して予備校に通う人もいれば、すき間時間を有効活用しつつ独学で挑戦する人もいます。
シニア世代が持つ豊富な実務経験は大きな強みに
難関試験を突破し、晴れて中小企業診断士となった後は独立開業をする人もいますが、合格者の約7割が独立せずに企業内診断士として働く道を選択しています。経営全般の幅広い知識を備えることができるため、管理職になるための優遇条件にしている企業もあるようです。
再就職をする場合にも、もちろんプラスになります。まず何よりも難易度の高い試験に突破したという点から長期間にわたって粘り強く知識の習得ができる人という印象を与えることができます。
勉強会や研究会などの交流会を通して人脈を広げることもできますし、副業が許されている会社であれば、企業にいながら経営コンサルタントとして個人的に仕事を得たり、予備校のテキスト作成や記事・ブログの執筆をして報酬を得たりすることも可能です。
また、シニア世代が持つ豊富な実務経験は中小企業診断士として働く際に大きな強みとなります。実際に企業の経営問題を解決するとなると、机上の理論だけではなかなかうまくいかないことも多いのですが、長年実際の現場で経営を見てきた経験豊かなシニア世代であれば、より現実的で活きたアドバイスができるというわけです。
このように中小企業診断士の取得にはさまざまなメリットがあり、仕事もやりがいのある内容なのですが、資格取得に時間や労力が必要であることも事実です。
資格予備校による資格説明会が随時開催されているので、興味がある人やさらに詳しく知りたいという人は一度足を運んでみてはいかがでしょうか。
最新更新日 2018.01.12