夜のたまり場、バー経営の基本知識
人気の飲食店経営
定年後の生き方の一つに、自分の店を持ち独立開業するという道があります。店と言っても様々な種類がありますが、一番人気が高く、メジャーなのが飲食店です。なかでもカフェやバーは他の飲食店と比べて開業しやすいと言われています。
気になる初期費用は?
どの程度の金額を準備しなければならないかは、店の種類や規模、立地等によります。ショットバーやスポーツバーなどドリンクがメインの店であれば、小さめの店舗、少数のスタッフでよく、グラスや調理器具といった備品も少なくて済みます。
逆にダイニングバーやバルのようにしっかりとした料理を出す店であれば、当然ながらその分大きな物件が必要で、スタッフや備品の数も多くなります。高級レストランやおしゃれなショップが立ち並ぶ人気エリアであれば当然ながら家賃も高くなります。
また、初期費用とともにある程度の運転資金も準備しておくべきでしょう。日本政策金融公庫の調べによると、開業した飲食店の6割以上が経営を安定させるのに半年かかっています。
オープンと同時に繁盛して黒字が続けば問題はありませんが、その可能性は低いと考え、安定した利益が出せるまでの数カ月は赤字でも耐えられるように資金を用意しておいたほうがよいでしょう。目安としては3カ月から6カ月程度です。
これらのことを考えると、ドリンクメインの小さめの店であれば500万円程度、食事も出す大きめの店であれば1,000万円程度の資金が必要となります。
費用を抑えるには?
ただし、この金額はあくまでも目安であるので、工夫次第で抑えることも可能です。
たとえば、初期費用のなかで最も負担の大きい物件費については、同業のテナントをそのまま利用できる居抜き物件を借りれば安く済ませることができます。
自分がオープンしたい店のイメージに近い内装の物件を借りれば、数百万円かかることもある内装の改装費用も低額に抑えることが可能でしょう。
開業資金が足りない場合は保証協会融資、新創業融資制度、中小企業経営強力化資金といった融資制度を利用することが可能ですが、これらの制度はそれぞれ特徴やメリット・デメリットがあるので利用する場合は事前に調べておいたほうがよいでしょう。
食品衛生責任者などの資格も必要
バーを開業する時は資格も必要になります。まず準備しなければならない資格は食品衛生責任者で、これにプラスして30人以上収容できる店をオープンするのであれば防火責任者が必要となります。さらに深夜0時以降に営業する場合は酒類提供飲食営業用開始届出書を管轄の警察に届け出なければなりません。
必ずしも必要というわけではありませんが、ワインエキスパートやビアテイスター、日本バーテンダー協会(NBA)が認定するNBA検定試験などを取得してみてもいいかもしれません。
特に自らもバーテンダーとして接客するのであれば、酒についての知識はもちろんのこと、コミュニケーション力をはじめとする接客スキルも身に着けなければならないため、バーテンダーとしての知識や技術を高める目的でこれらの資格を取得する人もいます。
成功する人よりも、失敗する人の方が多い?お金には厳しい業界
バーの経営は一見すると華やかで魅力的ですが、未経験者の場合オープン後3年以内に9割が閉店すると言われているほどの厳しい世界です。
年収も個人経営の場合は300万円前後となる場合が多く、1,000万円といった高額年収を望むのであれば複数の店舗を経営し、常連客を獲得して繁盛させなければなりません。
成功するよりも失敗する人のほうがはるかに多いのです。そういった意味では、お金目当てというよりも純粋に働くことに楽しみを見出したい人向けの仕事と言えるかもしれません。
最新更新日 2018.06.09