セカンドライフの充実に追い風?人生100年時代構想に備える
長寿社会突入。予測寿命は107歳?!
2017年9月、安倍内閣が掲げる1億総活躍社会のスローガンを実現するべく、有識者による人生100年時代構想会議が開かれました。その際に提示された資料によると、2007年生まれの日本人の予測寿命は、なんと107歳。現行の諸制度では対処しきれない未来が、まもなく訪れようとしています。
同会議では、かかる超長寿社会に対応した新たな経済・社会システムの構築に向けて、今後も議論が重ねられていく見通しです。
もちろん、会議自体や政策の意義については賛否あるものの、奇しくも90歳以上の人口がはじめて200万人を突破した2017年にこのような問題提起がなされたことは、必然と言えるかもしれません。
具体的なテーマはおおまかに、教育制度の改革、人材採用の柔軟化、社会保険制度の見直し、この3点に分かれます。シニア層にとって、どのような影響が考えられるでしょうか?
老後、定年後も健康体で働き続けること
働き方と税制度の変革により子育て世代を社会全体で支える構造を打ち出し、少子化の解消を目指すのが、人生100年時代構想の骨子。
その中で高齢者に求められる役割とは、有り体に言ってしまえば「生涯、健康で働き続ける」ことです。医療費・介護保険料の公費負担を削る究極にシンプルな解答は、ともすれば弱者切り捨ての暴論となる危険をはらんでいることは否めません。
しかし、早期退職者と比較して退職の時期が遅いほど長生きする可能性を示唆した米国の研究結果や、65歳以上の就業率・県民平均寿命がともに日本一である長野県など、いくつかの統計から、働き続け適度な緊張感を保つことが健康長寿につながるという関連性を読み取ることが出来ます。
人生100年時代構想に伴う刷新は、国民ひとりひとりが注視し吟味していく必要がありますが、制度が現実に追いついていく過渡期であると考えれば、不安な点ばかりとは言えません。
悠々自適の老後からは遠ざかっても、就労を通じて社会と関わり続ける、退屈知らずの充実したセカンドライフもまた価値のある過ごし方であることは間違いないでしょう。新たな時代を有意義に過ごすため、ミドルシニアも積極的に準備を始めたいですね。
年金や資産運用には明るく
まず、どのようなセカンドライフを送るにせよ、困窮しない程度の金銭的な余裕はほしいところです。年金の受給開始年齢は今後も引き上げられる見込みですから、超長寿社会のシニアは財産運用にも明るくなくてはいけません。
受け取れる年金額のシュミレーションや保険の見直しから始めて、もしもの時の相続関連まで少しずつ情報を整理出来たら、将来の不安を減らせますね。シニアのお金にまつわる知識を問う「定年力検定」というユニークな資格試験もありますから、取得を目標に据えて勉強をしてみても面白そうです。
セカンドライフの計画は早い時期から立てる
セカンドライフの長さはおおよそ20年に及びます。田舎で農作業をしながら暮らす、難関資格に挑戦して開業する、ともに歩むパートナーを探す、などなど、人生の収穫期をどのように過ごすのか、早い時期から計画をたてたいもの。本やインターネットで必要な知識を得れば、主体的で充実した生き方が見つかるでしょう。
最新更新日 2018.06.15