在宅介護を支える! 介護保険や補助金
介護保険制度とは
核家族化が進み、両親が認知症や寝たきりになった場合に介護できる家族がいないというのは、現代社会の大きな課題です。平均寿命も延び続けているため、家族が近くにいたとしても負担は大きくなる一方です。
そこで、2000年からこのような高齢者を社会全体で支える、「介護保険制度」が始まりました。これは、介護が必要な高齢者が、少ない負担で介護サービスなどを受けられる仕組みです。65歳以上で要介護認定を受けた人や、40歳から64歳で老化によって介護が必要になった人は、訪問介護や老人福祉施設の利用など、介護サービスにかかった費用の1割もしくは2割負担で済むようになりました。
ちなみに介護保険の財源は、40歳以上の人が負担する保険料と市区町村など地方自治体の税金です。
「家族のために…」増え続ける在宅介護
介護保険制度により、家族は介護負担は軽減されましたが、それでもなお介護のために仕事をやめたり、転職したりする人が増え続けています。これは、「施設に入らず住み慣れた家で最後まで暮らしたい」と願う高齢者が増えているからです。
また、高齢者のための介護施設が不足していて希望する介護施設に入れないことも原因のひとつです。高齢になって知らない場所で暮らすのは大きなストレスになってしまいます。
自宅で家族の面倒を見ようと思う人が増え、介護を援助する保険制度ができたとはいえ、仕事をやめたことによる経済的な負担の方が重くなってしまっているのが現状です。
自治体によっては補助金がでるケースも
自治体によっては、在宅で介護している人に手当を支給する制度があります。長野県松本市では要介護3以上で65歳以上の高齢者に年額100,000円を支給しています。
兵庫県に位置する香美町では、要介護4以上で寝たきりや認知症の高齢者に年額180,000円の介護手当を支給しており、さらに、介護保険サービスを利用しなかった月は、月額15,000円支給されます。
このように、増加する高齢者の在宅介護を支援するサービスを行っている自治体が増えてきています。在宅介護をするようになったら家族だけの問題と抱え込まないように、まわりの人にも助けてもらいながら介護をしていくことが大切です。迷ったら、市町村の福祉担当者に相談してみるとよいでしょう。情報を集めて、上手く在宅介護サービスを利用しましょう。
最新更新日 2018.07.12