法律に強くなろう!行政書士資格取得のススメ
行政書士なら生涯の仕事につながる
社会保障制度に陰りが見えはじめた現今、生涯現役として働き続けるライフスタイルに改めて注目が集まっています。
再就職において、専門的な技術を身につけることと同じくらい頼りになるのが資格、特に国家資格というカードです。今回はそのなかでも行政書士についてご紹介します。
行政書士とは?業務内容と働き方
行政書士は「法廷に立たない弁護士」「町の法律家」などの異名を持つ、法律のプロフェッショナルです。
代表的な業務内容は公的機関に提出する行政書類、権利義務や事実証明にまつわる書類の作成、および代理提出であり、このことから俗に「代筆屋」と呼ばれる場合もあります。取り扱うことのできる書類は広範囲にわたり、実に1万種類を超えてなお増え続けています。
業務に際しては、書式テンプレートにのっとって書類を作成することが主な作業となります。簡単に聞こえてしまうかも知れませんが、膨大な選択肢から、内容に鑑みて正しいテンプレートを選ぶための知識こそが、彼らの固有能力と言えるでしょう。
また、その能力を発揮するための前段階として、顧客を獲得し、それぞれが抱える問題に対し的確かつ迅速に解決につながる提案をしなければなりません。法を取り扱う資格ではありますが、実務にあたって求められるのは人への気配り、サービス業に等しい目線です。
取得するためには
行政書士は法律資格のなかで比較的難易度が低いとされています。受験資格に制限がなく、絶対評価をもって採点がなされる点も、全くの門外漢からの転身を可能にしているポイントです。とはいえ5%前後を推移する合格率からわかるとおり、決してやさしい資格ではありません。
具体的には、毎年11月に行われる、憲法・民法・商法・行政法・基礎法学からなる46問の法令科目と、政治・経済から文章理解にまで及ぶ一般知識科目の2科目、合わせて300点満点の試験で、それぞれ6割強正答しなければなりません。試験会場は全国の大学や専門学校、または県庁などの指定会場です。
一般知識科目に比べれば法令科目の出題傾向はつかみやすく、過去問を分析することである程度の対応は可能と言われています。もちろん、気の遠くなるような量の条文や判例の一つ一つに至るまで理解していることが必須ですから、完全なる独学での合格は相当の努力を要します。
試験合格ののち、行政書士会に入会・登録すれば、年齢や経歴を問わず晴れて行政書士を名乗れます。
再就職に活かすには
人気が高い一方で、行政書士はさほど就職に有利でない、稼ぐことが難しいという意見もあります。許認可の仕事に関しては古参の行政書士がすでに顧客を抱え込んだ状態で、新規参入は容易ではありません。
入国管理ならば外国語の習熟が必須など、法律以外の知識を求められる局面も数多く、せっかくの資格を活かしきれない事態も考えられます。平均年収は600万円を若干上回る程度ですが、成功者とそうでない者との落差が大きい職業でもあります。
逆に言えば、法律以外の知識や経験を反映させたジャンルで、顧客のニーズをこまやかに拾い上げることができれば、充分に努力の価値を活かせる資格でもあるのです。
資格取得後、行政書士事務所で実務経験を積み、独立開業すれば、待っているのは退職のない、生涯の職場です。資格と同時に獲得した、法律に関する誰よりも深い知識は、身近な人々やあなた自身の生活をよりよいものへと導くでしょう。
最新更新日 2017.12.21