学んだことを仕事に。教育訓練給付金とは?

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3年間で最大144万円の給付を受けることが可能

教育訓練給付という制度をご存じでしょうか。厚生労働大臣が指定する教育訓練講座を受講した人に対し、受講にかかった費用の一部を国が給付金としてハローワーク(公共職業安定所)から支給するという制度で、働く人の能力開発やキャリアアップの支援を目的としています。

雇用保険の給付制度としてこの教育訓練給付制度が設けられたのは平成10年度ですが、平成26年の10月には給付内容が拡大され、それまでの教育訓練給付金が「一般教育訓練の教育訓練給付金」とされたのと同時に、新しく「専門実践教育訓練の教育訓練給付金」が創設されました。

一般教育訓練の教育訓練給付金は教育訓練として支払った経費の20%が給付されるという内容ですが、上限が年間10万円に設定されており、支払った金額が4,000円以下の場合は支給されません。

情報処理技術者資格、簿記検定、訪問介護員などの職業教育を目的とした講座が対象で、大型自動車第一種・第二種免許なども含まれています。給付の申請は教育訓練が修了した後1ヶ月以内に行う必要があり、訓練期間の長さに関係なく給付は1回となります。

一方の専門実践教育訓練の教育訓練給付金は、教育訓練費の40%が原則2年、最大3年まで給付されるという内容です。こちらも年間で32万円という上限が設けられています。

講座の受講修了後に資格を取得し、修了日の翌日から1年以内に一般被保険者として雇用された場合は、そこからさらに20%が上乗せされるので、支払った費用の60%(年間上限は48万円)が給付されることになります。

つまり、3年間で最大144万円の給付を受けることが可能となります。一般教育訓練とは異なり支給申請に基づいて6ヶ月ごとに支給されるので、職業訓練期間中に給付を受けることもできます。

さらにこの専門実践教育訓練の給付金を受けることができる人のうち、受講開始時に45歳未満で離職しているなど、一定の条件を満たす人は、「教育訓練支援給付金」を受けることもできます。

これは訓練期間中の生活をバックアップするための制度で、平成30年度までの暫定措置とされています。内容は離職前に受け取っていた基本手当の50%に相当する額の給付を教育訓練が終了するまで受けることができるというものです。この場合の基本手当は離職直前の6ヶ月間に支払われた賃金額から算出することになります。

2回目以降の給付申請には通算10年以上の被保険者期間が必要

専門実践教育訓練の教育訓練給付金は専門性を高めて中長期的なキャリア形成を行う人を支援するための給付金という位置付けであり、一般教育訓練の教育訓練給付金と同様に厚生労働大臣が指定した講座の受講者が対象となります。

具体的には看護師、保育士、歯科衛生士、海技士、助産師 など業務独占資格・名称独占資格の取得を目指す養成施設の講座や「オラクルJava認定資格」や「シスコ技術者認定CCIE」など情報通信技術に関する資格取得を目標とした講座などです。高度専門職業人の養成を目的とした専門職大学院の課程も指定されています。

この専門実践教育訓練の教育訓練給付金の給付を受けるためには事前にキャリア・コンサルタントによる訓練前キャリア・コンサルティングを受ける必要があます。

コンサルティングを受けた際に公布される「ジョブ・カード」と本人・住居所確認書類や雇用保険被保険者証等を用意して受講開始日の1ヶ月前までに申請を行わなければなりません。

在職者中で、専門実践教育訓練に関する講座の受講を承認したことを証明する証明書を勤務先の事業主に発行してもらえるのであれば、訓練前キャリア・コンサルティングを受けずに申請することも可能です。

さらに、これらの教育訓練給付金を受給するためには雇用保険の被保険者であった期間が一定以上であるという条件を満たす必要があります。

その期間は一般教育訓練の場合、受講開始日時点で3年以上とされていますが、給付を受けるのが初めてである場合は1年以上あれば大丈夫です。

専門実践教育訓練については平成26年10月1日以降に初めて受給する場合は受講開始日前までに通算2年以上の被保険者期間があり、かつ在職中または離職後(一般被保険者資格を喪失して)1年以内であるのが条件です。

平成26年10月1日以降に2回目以降として受給する場合は、前回の受講開始日から次の専門実践教育訓練の受講開始日前までに、通算10年以上の被保険者期間を有している必要があります。

なお、教育訓練支援給付金を受けるのであれば、上記の条件とは別に原則として2ヶ月に1回、ハローワークで失業の認定を受けなければなりません。

教育訓練給付はキャリアアップを目指す人にとって心強い味方となる制度ですが、一度給付を受けると次回の受給まで一定期間待つ必要があるので、申請するのであれば事前に自分のキャリアプランを固め、受講する講座をよく検討してから行うべきでしょう。

最新更新日 2018.02.26

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