簿記を持っていると得?シニアの経理・会計の資格
シニアにも人気の資格・簿記。その実情は?
再就職を考えるとき、実務経験と同様に心強い武器となるのは資格です。働き続けたいシニアも資格への関心は高く、介護ヘルパーに次いで注目を集めているのが簿記の資格です。
どのような業態でも会計・経理の部門は存在するため、汎用性の高さが人気のポイントと言えるでしょう。一般に「簿記」は日商簿記検定を指します。日本商工会議所および各地商工会議所によって年3回実施される簿記に関する技能試験で、最も知名度の高い公的資格のひとつです。
2017年4月から4級が廃止され、代わりに設定された初級検定は、ビジネスマンの一般教養に近い位置づけの資格であり、専門性はさほど高くありません。
資格のステップとしては、3級において経理関連書類の読み取りを習得し、個人企業規模での経理担当・経理補助を請け負える商業簿記の知識を有していることが証明されます。その上の2級では、工業簿記の知識や中小企業で通用する、より専門的な事務処理能力が試されます。
簿記3級の段階で経理の世界の入り口に立ち、2級の取得によって求職活動に活かせるカードが手に入る、とイメージすればわかりやすいかもしれません。
高額な時給、正社員登用も
簿記の資格講座に人気が集まる理由でもありますが、会計・経理職の応募条件として簿記2級を掲げる求人案件は非常に多く、企業の財務担当者には必須の資格として、2015年には2級検定の出題範囲が調整され、より実社会での要請に近づきました。
簿記2級は、事務職の就業を望むなら非常に強力なカードです。街の事業所の経理事務や中小企業の財務担当、あるいは会計・税理士事務所の業務まで、実に多様な職場の中から自分に合う条件を選ぶことが可能になります。年齢不問、高額な時給での募集も多く、正社員登用を謳う企業も少なくありません。
そのほかにも、シニアの経理経験者の紹介に特化した派遣企業も存在し、選択肢と需要は今もなお広がりを見せています。
また、自営業者として第二の人生をスタートさせる場合にも、簿記3級以上の知識は必ず会社経営に役立ちます。思いがけず会社運営につまずいたとき、簿記2級の資格があれば生活を立て直す際にも助けとなることでしょう。有効期限がなく一度取得すれば失効する心配がない、そんな点も大きな魅力です。
独学も可?取得したいと思ったら
このように簿記の資格は得か否かで言えば、圧倒的に得です。簿記2級合格までに必要とされる学習時間は初学者でも150~200時間程度、合格率は3割前後とされています。
同じく人気の資格である宅建(宅地建物取引士)はおよそ250~350時間の学習を要した上で2割に満たない合格率ですから、準備期間や難易度の点でも相当に得な資格と言えるでしょう。
そして、簿記検定は1級でさえ受験資格を問いません。学歴も実務経験も関係なく、所定の課程を修了する必要もないのです。各種の講座や通信教育はもちろん、テキスト頼りの全くの独学で挑戦することも可能なため、1日1時間の勉強を半年ほど続ければ、充分取得チャンスのある資格です。
2・3級は年に3回、1級は年に2回、試験日が設けられています。
受験申し込み期間等は各商工会議所によって異なるため、公式HPからチェックしてみましょう。
・商工会議所の検定試験
最新更新日 2018.04.19