人好き町好き!シニアのタクシーアルバイト
タクシードライバーにシニアが多い理由とは?
定年後も再就職する高齢者の割合は伸び続け、幅広い業界でシニアの活躍に注目が集まっていますが、なかでも顕著なのはタクシードライバーです。事実、ドライバーの平均年齢は平成28年の時点で58.6歳と、他業種に比べて10歳以上の高齢化が進んでいます。
理由は二つあり、第一に、個人タクシーの存在が挙げられます。2002年2月以前に事業を開始していた個人タクシーのドライバーには、年齢の制約がありません。地域によっては個人タクシーの開業枠には上限があり、高齢のドライバーが引退しなければ新規参入者も増えず、結果として平均年齢の上昇につながるのです。
第二に、会社に所属するドライバーは60歳~65歳で定年を迎えますが、1年更新の嘱託として契約する、週40時間以内の勤務で「定時制乗務員」として雇用を結ぶなどの方法で働き続けることが可能であり、仕事を継続する人が非常に多いのです。
企業側にとってもシニア世代を雇うことは国からの助成金が得られるというメリットがあり、中高年向けの転職先として最も間口の広い業種と言えるでしょう。
誰でも始められるの?給料は?
タクシードライバーの勤務形態は若干特殊で、拘束時間が長い、夜勤があるといったイメージを持つ方も多いかもしれません。しかし、いわゆるアルバイトである「定時制乗務員」は、固定シフトで1日8時間を週5日以内など、無理のないリズムで業務にあたることが出来ます。
また、タクシードライバーとして就労するには第二種運転免許が必要となるものの、免許取得支援制度が用意され、費用は会社負担であることがほとんどです。自動車の運転と人と話すことが苦にならないタイプなら、経験ゼロでも選択肢に入れられる職種です。
給料形態はたいていの場合、基本給に歩合制でプラスされる方式と、完全出来高制をとる方式のいずれかです。定時制乗務員に関しては、歩合率にマイナス補正がかけられることもあり、都内でもおおむね月収17万円前後と見られています。
控えめに思える給料の額ですが、年金の受給制限とのかねあいも重要ですから一概にデメリットとは言い切れません。人とふれあい、町の流れに身を置きながら、細く長く続けられる仕事である点は、タクシードライバーの大きな魅力です。
安全で居心地のよい空間を目指して
タクシードライバーへの転職を考える際、知っておかなければならないのは業界の交通事故率でしょう。自動車事故の発生件数自体が減少傾向にあるなか、タクシー業界の事故減少率は平均より10ポイント低いという統計が出されています。
ドライバーの高齢化のみがその原因とは言えませんが、心身の健康に気を配り、常に緊張感を持って業務に臨む必要があります。また、長時間勤務や劣悪な環境での労働を強いる企業を避けるため、求人情報も精査していくのがベターです。
タクシードライバーの求人に特化したサイトや、電話での無料相談を受け付けているサイト、就職祝い金が給付されるサイトなどもありますから、積極的に活用していきましょう。
そして、タクシードライバーは誰でも始められる仕事ですが、誰でも簡単にこなせる仕事では決してありません。せっかくの外出や、疲れ果てた仕事帰り、態度のよくないドライバーにあたって気分が滅入ってしまった経験はありませんか?運転技術や経路の知識以上に求められるのが、ドライバーの人柄です。
乗客を目的地まで安全に届けるのはもちろん、どうすれば快適な気持ちで過ごしてもらえるか意識したとき、人生経験を活かせる生涯の仕事が始まるでしょう。
最新更新日 2018.04.20