シニアの再就職に!チャレンジしたい保育関係の仕事

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深刻な人員不足、解決の切り札はシニア世代?

待機児童問題の解決が叫ばれて久しいですが、平成29年現在、首都圏では入園希望者の3人に1人が保育園に落ちるという厳しい状況が続いています。その最大の原因は、保育士の人員が確保できないことにありました。

仕事の過酷さ、責任の重さに比べ賃金が安く、保育士自身の出産・育児のため在職期間が短い傾向にあり、国家資格を持ちながら保育の現場を離れている「潜在保育士」の人口が非常に多いことが、他業種にはない特徴です。待遇改善が喫緊の課題となる一方、シニア層の活躍が期待されている分野でもあるのです。

有資格者はぜひ復帰を

体力勝負というイメージが強い保育の現場ですが、業務内容が多岐におよぶため、シニアでも能力を活かせる場面は充分にあります。かつて保育園や幼稚園で勤めていた方には、復帰の検討をぜひおすすめしたいところです。

その際注意したいのは、平成21年4月に導入された教員免許更新制により、幼稚園教諭の免許は規定に従って更新手続きを取る必要がある点です。保育士資格に関しては有効期限はなく、登録手続きさえ済ませていれば保育士として就労することが可能です。

深刻な人手不足に悩む現場にとって、人生経験を積んだ有資格者の存在は必ずや助けになるでしょう。ブランクや加齢を理由に再就職を諦めるにはあまりに貴重な資格です。

無資格からでもチャレンジできる

また、定年後、ゼロから保育に携わる選択肢も考えられます。「グランドシッター」という言葉をご存知でしょうか。シニア世代を対象とした、託児施設で職員のサポート業務を担うための講習を修了した人に与えられる称号です。

民間資格ながら、TVで紹介されたことをきっかけに注目が集まりました。2日間の養成講座を受け認定試験に合格することで、保育士補助として働けるスキルを習得したことが証明されます。

さらには、保育士試験に年齢制限はなく、何歳からでも資格の取得が可能です。受験には一定の学歴あるいは児童福祉施設での勤務経験を要します。資格取得に向けて、保育士講座で試験対策をして臨む方法と、専門学校に入学し保育の専門教育を受ける方法が主に考えられます。

通信制であれば半年~1年の期間で5万円~8万円ほどの費用、通学をともなう保育士講座の場合、おおむね35万円前後の費用と1年間のカリキュラムで学習を進めていきます。

専門学校は短くとも2年で200万円程度の学費がかかりますが、卒業と同時に資格を取得することができます。それぞれのメリット・デメリットを比較して、自分に合うスタイルを見つけましょう。

保育士の実情とシニアにできること

国家資格を有する専門職でありながら、保育士の月給は全産業の平均よりも10万円前後下回る低い水準です。その一方で、東京都における保育士1人あたりの有効求人倍率は実に5倍以上。保育士資格を持ち、正規雇用にこだわらなければ就労先に困ることはない状況が当分は続きそうです。

グランドシッターに代表される高齢者の保育士補助業務については、正規保育士の労働環境を整えないまま、非正規の補充でその場をしのぐ発想だと疑問視する声もあるものの、当のシニア世代からの関心は高まりを見せています。

核家族化が進むなか、祖父母世代と孫世代が日常的に触れ合い、それが現役世代のサポートにつながることの価値は計り知れません。雇用条件の是正とともに、シニア世代の関わり方が待機児童問題解決のカギとなりそうです。

最新更新日 2018.04.20

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