家賃負担が大きい方必見! 家賃補助制度
国や自治体から家賃補助が受けられる高齢者向け優良賃貸住宅
住宅にかかる費用はこれから老後の生活を送る高齢者にとって頭を悩ませる問題の一つです。持ち家に住んでいてなおかつローンの支払いが終了している場合は特に問題はありませんが、賃貸物件に住み続ける場合、家賃をずっと支払い続けなければなりません。
限りある老後の生活資金を有効に使うためにも、より安い家賃の物件に引っ越すことで住宅費を節約したいと考えるシニア世代も多いようです。
そんな少しでも家賃の負担を軽くするために転居を考えている人におすすめの住宅の一つが高齢者向け優良賃貸住宅(高優賃)です。
高優賃は「高齢者の居住の安定確保に関する法律」に基づき、高齢者が安心して住むことができるように、国や自治体が家賃補助を行う制度を取り入れた住宅です。
高齢者向け住宅は高優賃の他にも高齢者専用賃貸住宅(高専賃)や高齢者円滑入居賃貸住宅(高円賃)がありましたが、平成23年度の「高齢者の居住の安定確保に関する法律(高齢者住まい法)」の改正により、これらはサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)に一本化されました。
それに伴い、高専賃と高円賃の2つの制度は平成23年の10月に廃止されましたが、高優賃は地域優良賃貸住宅制度として残り、各自治体の判断において現在でも運営されています。
高優賃は民間事業者やUR都市機構などによって設置・運営されています。主な入居条件は60歳以上の単身者または夫婦・親族であること、施設のある都道府県に在住あるいは在勤していることなどです。住宅によっては所得月額が48万7000円以下であること等の条件が付く場合もあります。
家賃補助については基準が定められています。UR都市機構の場合、補助が受けられるのは所得が月額15.8万円(所得控除後の金額)以下の世帯とされているので、例えば65歳以上で年金収入の場合、120万円までは非課税のため、年間の世帯収入が約309万円以下ならば15.8万円以内に該当し、家賃補助を受けることができます。
手当の額は運営先によって異なり、UR都市機構の場合は最大で25,000円、横浜市の場合は最大40,000円となっていますが、最大で家賃の40%の手当を受けられるところが多く、適用期間は最長で20年間とされています。
バリアフリー構造と緊急時対応サービスの提供も魅力
室内のバリアフリー構造と緊急時対応サービスの提供が義務付けられている点も、高優賃をおすすめする理由です。キッチン、トイレ、浴室・洗面台、収納スペースが完備され、室内の床段差はほとんど解消、要所要所に手すりが設置されているなど、高齢者が快適で安全な生活を送れるようにリニューアルされています。
さらに、緊急時には提携する事業者のスタッフが24時間いつでも駆けつけてくれるという安心感もあるので、なかには家賃補助よりもこれらのほうに魅力を感じて高優賃を選択する高齢者もいるようです。
ただし、重度の介護が必要となる高齢者は入居できない場合があります。緊急時対応サービスが付いているとはいえ、高優賃はあくまでも自立して生活ができる高齢者を対象とした賃貸住宅なので、入居が許可されているのは軽度の要介護までのところがほとんどです。
また、契約の際には連帯保証人、身元引受人が必要となりますが、保証人が立てられない場合は高齢者居住支援センター(高齢者住宅財団)による債務保証制度を利用することも可能です。
このように高優賃は高齢者にとって非常に好条件な住宅であるだけに、入居希望者が多くなかなか入居できない可能性もあります。
各自治体や事業者に直接連絡して入居の相談を行うこともできますが、ホームページ上で空き家情報や入居者募集の案内が掲載されることもあるので、検討する場合は日ごろからこれらをこまめにチェックして情報収集をしておいたほうが良いでしょう。
最新更新日 2018.02.08