増えるシニアのアルバイト、再就職の時給は?
増える、シニア歓迎のアルバイト求人
定年後の再就職を考えるとき、最も気軽に始められるのはアルバイトやパートタイムでの勤務です。近年は幅広い業種で年齢不問・シニア歓迎の求人が増え、生活を支える手段として選び、活躍しているシニアもいます。
事実、アルバイトをしている60歳~79歳のシニアを対象にした調査では、月の労働収入は平均して10万円前後、バイト代は主に生活費に充てられていることがわかりました。厚生年金の減額措置を受けるラインが年金も含めた月収合計28万円以上ですから、損をしない賢いワークスタイルであると言えます。
そこで気になるのは給料事情。職種や年齢ごとの相場を把握することで、現実的な条件で効率よく勤め口を探すことができるでしょう。
シニアアルバイト=低賃金?
「シニア可の求人は、低い時給で労働力を買い叩かれるのでは?」というネガティブなイメージを持つ方もいるかもしれませんが、一概にそうとは言いきれません。
首都圏におけるパート・アルバイトの平均時給を年代ごとに計算した2016年のデータでは、20代男性の平均額が1,050円。その後30代から40代にかけて1,200円台まで上昇し、60代前半の平均である1,250円が全年齢でのおおよその最高額をマークしています。
職種によるばらつきはあるものの、シニアアルバイト=低賃金という認識を覆す資料としておさえておきたい数値です。一方シニア女性の場合は男性より時給が低い傾向にありますが、60歳を過ぎても女性全年齢の平均額である1,050円前後をキープしています。
東京、首都圏の平均時給と人気の職種
これらの事実をふまえて、首都圏の職種別の平均時給をみていきましょう。中高年の男女ともに人気が集まる事務職の時給は、約1,050円~1,100円。体力的な負担が少ないわりに比較的高額で、希望者が多いこともうなずけます。
なかでもコールセンタースタッフは1,300円弱と高時給ですから、電話応対が苦にならない方は狙い目かもしれません。データ入力もやや高めの1,100円台後半、パソコン操作ができればこなせる仕事です。
同じく人気がある梱包・仕分けなどの軽作業は1,000円程度と若干落ちる計算です。コンビニやレジ打ち、各種小売業を含む販売・サービス業、飲食店スタッフの時給はさらに控えめで、1,000円未満での募集が目立ちます。
対照的に営業職、特にテレフォンアポインターの仕事は1,200円を超える平均時給を示しています。適性や前職での経験があれば、効率的に収入を得られそうですね。
また、資格や知識が必要とされる専門職系も時給が高く、とりわけ看護師の1,700円弱はすべての業種を通じて最高レベル。次いで高額なのは1,450円ほどの金額が見込める塾講師で、この2つが全体の平均を引き上げています。
しっかりと情報を集めよう
月10万円をパートやアルバイトで稼ぐとして、もし時給900円なら必要な時間は約111時間、1日あたり6時間働いても19日ほど出勤しなければならない計算です。これが仮に時給1,100円で設定すれば、およそ91時間、同じ労働時間でも15日ほどの勤務で達成できる数字となります。
「できる仕事とやりたい仕事は違う」とよく言われていますが、稼げる仕事かという観点も職探しでは重要です。効率よく働いて充実した生活を送るために、常に情報のアンテナをめぐらせましょう。
最新更新日 2018.04.26