定年後、翻訳で身を立てる!JTA公認翻訳専門職資格試験とは?
JTA公認翻訳専門職資格試験(CPT試験)とは?
JTA公認翻訳専門職資格試験とは、社団法人日本翻訳協会(Japan Translation Association:以下JTA)が実施する検定試験です。1986年に設立されたJTAは、日本国内における翻訳業の振興と職能を通じた社会への貢献を目指す団体で、かつては厚生労働省職業安定局の管轄下にありました。
JTAによって、翻訳技能の向上を期して行われる3つの資格認定試験のうちの1つであるJTA公認翻訳専門職資格試験は、英語では「Certified Professional Translator Test」、公式サイトにて「CPT試験」と通称されています。「翻訳技能認定」をルーツに、2008年より現在の形式で試験が実施されています。
資格を取得すれば、こんな仕事が
請け負える仕事内容としては、契約書や取扱説明書を翻訳する実務(ビジネス)翻訳、絵本や小説に携わる出版(文芸)翻訳、映像作品やニュース、ゲームなどを翻訳するメディア翻訳など実にさまざまです。
法務部・金融系・海外事業との親和性が高く、もちろん、それまでの職歴で培った経験と連動させることで、求人の選択肢は無限に広がります。
難易度は高いが、受験制限はなし
CPT試験は英語部門と中国語部門のふたつに分かれ、年に4回実施されます。TOEICをしのぐ難易度と強力な信頼性を持つ資格である一方、受験自体に制限はありません。
肝心の認定を受けるためには2年以上の実務経験が求められますが、その足掛かりとして、翻訳技能を証明する目的でまずは試験合格を目指す、という受験者も数多く存在するのが興味深いところです。
受験者の総数や合格率についてはJTAによるデータ開示がなく、詳細不明ながら、類似の資格試験と比べても群を抜いた難易度で知られています。設問の専門性は高く、時間制限もシビアと言われています。
試験制度は?4つの試験科目とは?
最近ではインターネットによる在宅試験制が採られ、下記4つの科目すべてに合格する必要があります。
- 翻訳文法技能試験
- 翻訳IT技能試験
- 翻訳マネジメント技能試験
- 翻訳専門技能試験
4科目を見てわかる通り、辞書的な言語変換能力の他にも、背景となる異文化理解力、ビジネスシーンや学術分野に応じて正しく文脈をくむ専門実務翻訳能力、ネット社会に適したIT運用能力、職業倫理も含めたマネジメント能力など、単なる語学力だけでは対応できない、総合的な能力を試されます。
4科目をまとめて受験することも単科受験も可能ですから、準備の進捗にあわせて作戦を練りましょう。試験後、科目ごとに合否判定とグレードがメールにて通達されます。
グローバル社会で輝き、定年後も自由な生活を
合格は容易でないCPT試験ですが、もし突破したならば、語学力のみならずビジネススキルの高さをもアピールできる再就職の切り札となることは間違いないでしょう。
また、機械翻訳が発達した現在でも、正しい意味合いを拾い発信する知見と能力は貴重な財産です。身に着ければ働く場所も生活の場所も縛られない、新しい暮らしが待っているかもしれません。
最新更新日 2018.05.18