腕一本で食べていく!あん摩マッサージ指圧師とは
「マッサージ」の国家資格
ストレス社会と言われる現代、街にはリラクゼーション施設があふれています。自分自身や家族がお世話になっている方も多いのでは? その一方、メニューや店舗紹介に「マッサージ」と明記されている施設は意外と多くありません。
なぜなら、本来マッサージとは、医師あるいは、学校で所定の単位を修め、厚生労働省による国家試験に合格した「あん摩マッサージ指圧師」にしか行えない独占業務なのです。
加齢に伴い、だれもが悩まされる足腰の痛みや身体の負担を和らげてくれるマッサージは、身につければまさに腕一本で食べていける人気資格のひとつ。今回は、身近な国家資格・あん摩マッサージ指圧師について取り上げていきます。
「鍼灸、はり」の資格は別途
あん摩マッサージ指圧師とは、身体の不調について、あん摩(按=押さえる・摩=なでる、中国発祥の手技療法)、マッサージ(ヨーロッパ発祥の手技療法)、指圧(日本独特の手技療法)の手法と解剖学的な人体知識を駆使してケアにあたる職業です。
昭和22年に成立した、「あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律」に基づく国家資格であり、それぞれ全く独立した理論と職掌でありながらも関連は深く、頭文字を取って「あはき」と総称され、この3つの資格を合わせて三療師、三療などと称すこともあります。
あはきの専門学校は、あん摩マッサージ指圧師のみの養成所、はり師・きゆう師のみの養成所、どちらも対象とした養成所、この3種類に大別されます。ちなみに、鍼灸師という資格はなく、はり師ときゆう師は別々の国家資格です。共通項目に関する試験は免除されるものの、別途試験を受けなければ取得出来ません。
安い投資ではないが、試験の合格率は高め
あん摩マッサージ指圧師の国家試験を受けるには厚生労働省や文部科学省が認定した専門学校で、カリキュラムを終える必要があります。
かつては視覚障がい者の方の代表的な職業であり、晴眼者向けの養成機関や入学枠の新設・増設が制限されていました。そうした背景があるため、制限が撤廃された現在も、学校数は主要都市を除けば各県に5校以下程度。選択肢は多いとは言えません。
晴眼者を受け入れている学校ならば、高校卒業者であれば年齢を問わず、小論文や面接などの試験で入学可能です。学費は300万~500万円、入学金や教材料もかかり、在学期間は3年~4年にわたります。
決して安い投資ではありませんから、取得後にどんな働き方をするかビジョンを描いたうえで判断しましょう。あん摩マッサージ指圧師国家試験の合格率は例年80%半ば、入学までの準備を整えることが最大のハードルと言えるでしょう。
再就職や独立で、自由度の高い生活を
資格取得後は、治療院や病院、施術院で働くほかにも、自宅で独立開業することも、訪問マッサージ師として顧客の家に出向くことも可能なので、比較的自由度高く生活スタイルを組むことができるでしょう。
確かな技術と人生経験を活かした温かい接遇で、心身ともにほぐれるようなひと時を提供出来れば、たくさんの指名を受けるマッサージ師になるのも夢ではありませんよ。
最新更新日 2018.05.23